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会計相談室

2022年2月24日 14:00:00

会計アウトソーシングについて

Inage Hawaii

会計アウトソーシングについて

Q>会計アウトソーシングを導入するかどうか迷っていますが、何に気を付けなければならないか教えてください。

A>会計アウトソーシングを大きく分類すると下記のようになります。

1. 記帳代行 (Bookkeeping)

2. 給与計算 (Payroll)

3. キャッシュマネジメント

4. 決算業務(月次、四半期、半期、年度末)

5. 法人税の申告書

6. 個人税の申告書

7. 個人税の分かち計算

8. 財務諸表の作成

9. 財務諸表のReview

10. 財務諸表の監査


上記のうち9.10.は外部の公認会計士に依頼しなければならないので、内製化は不可です。また、4.から8.までの業務も大きな会社でない限り、通常アウトソーシングになりますので、アウトソーシングをするべきかどうかの選択ではなく、どの会計事務所を使うかの問題となります。したがって、社内業務とするかアウトソーシングとするかどうかは、主に記帳業務と給与計算業務それとキャッシュマネジメントが対象となってきます。すなわち、会計アウトソーシングの基礎は1. Bookkeeping2. Payroll3. Cash Managementとなります。これらのアウトソーシングする時のポイントは、Bookkeepingと給与計算の両方を同時にきちんとできるかどうかです。どちらか片方だけなら正確に行えるのですが、両方ともできる会社は少ないのが実情です。なぜならば、両方の仕事には関連性がなく、どちらとも全く別々の知識と経験を必要とする作業だからです。すなわち、給与計算の知識がなくてもBookkeepingはできますし、Bookkeepingの知識がなくても給与計算はできます。両方の仕事を整合性をもってできない場合、給与計算と会社の財務数字が合わなくなります。駐在員が多いと、この差額はたちまち多額になり、内部統制上の重大な欠陥とみなされることになります。


また、会計事務所以外の一般の会社にアウトソーシングを依頼する場合で留意しなければならない点は、情報の管理です。会計事務所以外にアウトソーシングする場合には守秘義務契約を最初に結ぶべきです。相手が会計事務所であれば、会計士の規約でたとえ契約書がなくても守秘義務が強制されています。1.から3.のアウトソーシングでは多量の情報が行き交いますので、使い勝手がよいとか、安いからと言って、信頼のできない会社に任せることは非常に危険です。また、キャッシュマネジメントや給与計算はキャッシュを実際に扱うことになるので、信頼のできる会社に任せなければ、キャッシュの不正流用される危険性もあります。


アウトソーシングの長所は、会計組織をすぐに入手できることです。自前で会計組織を創り上げるには、大変な時間とノウハウが必要です。また、経理課員の出入りを心配する必要もなくなります。自社に適した経理の専門家を雇うことはアメリカでは大変なことですが、そのような心配がいらなくなるということになります。短所は経理のノウハウが社内に構築されないということです。


アウトソーシング会社を選ぶポイントは、長年実績があり信用ができる組織であること、アウトソーシングについてのしっかりしたスキームができている組織であること、それらを運用できる人員が十分に備わっている組織であることです。


米国公認会計士齊藤事務所 (www.saitollp.com, info@saitollp.com):齊藤幸喜

 

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