top of page

税金相談室

2003年4月20日 22:00:00

予納過少納付、ペナルティーの回避

Inage Hawaii

Q:予納過少納付ペナルティーを回避する方法を教えてください。 A:所得税にかかるペナルティーの一つに、予定納税(予納)過少納付ペナルティーがあります。予定納税とは、税金の予想金額を年度終了前に年4回に分割してIRSへ納付する制度のことです。特に自由業者はこの予定納税によって税金の納付を行う義務があります。 給与所得者の場合でも予定納税を必要とする場合があります。該当するのは利子、配当、キャピタルゲインの投資所得や賃貸所得など、給与以外の収入が多額にある場合です。給与支給額に対して行われる源泉徴収の金額だけでは、申告書上計算される最終的な税金額である確定税額として十分ではないため予定納税が必要となるのです。 フォーム2210で計算 予納税過少納付ペナルティーは、年内に納付してきた予定納税および源泉徴収税の合計額が確定税額よりも少なく、1000ドル以上の追加納税となる場合に課されるペナルティーです。このペナルティーは、所得の種類は給与だけ、納付した税金は源泉徴収税だけという納税者にも課されます。 過少納付ペナルティーは、フォーム2210で計算します。確定税額を四半期分に分け、各期ごとの源泉徴収および予定納税による納付額と比べて、過少納付となった四半期について過少納付が解消するまで、または4月15日までの間のペナルティーとしてIRSの法定利率を適用して計算します。 IRSの法定利率は、四半期ごとに定められます。例えば、2002年の利率は年率6%、2003年の第1四半期、第2四半期の利率は年率5%です。 ペナルティーを回避する方法 (1)基本ルール 1000ドル以上の追加納税額があっても、年度内の予定納税および源泉徴収による税金納付額が確定税額の90%以上であれば、ペナルティーは課されません。 ペナルティーを回避するためには、税金納付額が確定税額の90%以上であればよいわけですが、年度が終了しないうちから前もって確定税額を的確に予測することは困難です。 そこでIRSは予定納税のセーフハーバー(安全圏)ルールを規定しています。前年度の確定税額を基準とした金額を年内に納付しておけば、たとえ予定納税および源泉徴収による税金納付額が今年度の確定税額の90%に満たなくてもペナルティーは課されないという規定です。 (2)セーフハーバー・ルール(安全圏規定) (a)前年度の調整総所得(AIG)が15万ドル未満(夫婦個別申告7万5000ドル未満)の場合: 前年度の確定税額の100%を納付してあれば、納付額が不十分のためかなりの追加納税を必要としてもペナルティーは課されない。 (b)前年度の調整総所得(AIG)が15万ドル超えの場合: 前年度の確定税額の110%を納付してあれば、追加納税額にペナルティーは課されない。 前年度の確定税額の100%または110%を納付しておくことにより、過少納付ペナルティーの回避が認められるという安全圏規定は、外国人納税者の場合、前年度に1年中を通じて所得を報告した居住者に限り適用されます。 以上の通り、予定納税過少納付ペナルティーを回避する確実な方法として、前年度の確定税額納付の安全圏規定を利用できます。特に給与以外の所得、例えば自由業事業所得、利子、配当、キャピタルゲインなどの投資所得、賃貸収入、一時所得などが入る見込みのある納税者は、過少納付ペナルティーを回避するために、前年度の確定税額を参考にして、4月15日、6月15日、9月15日および1月15日の4回に分けて予定納税の納付を行うことを勧めます。 なお、給与からの源泉徴収税は、実際には不規則な納付がされていたとしても、1年を通じて平均して納付されたと見なすことが認められます。例えば、給与以外の収入が多額にあったのにもかかわらず、年度の後半になって予定納税による税金納付が不十分であったことに気が付いた場合、雇用者にフォームW―4を提出して、毎回の給与から追加税金を源泉徴収するよう要請することができます。この増加された税金納付額を含む源泉徴収税額は過少納付ペナルティーの計算上、年度を通じて平均して支払われたこととして扱うことができ、その結果、過少納付ペナルティーの回避を可能とします。こうして給与所得者の源泉徴収税を給与以外の所得(事業所得、投資所得、一時所得など)の税金納付に充てることもできるのです。 米国公認会計士 大島斉藤会計事務所 大島襄

bottom of page