会計相談室

「譲謙（ゆずけん）さん、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。」会社経営者の鬣（たてがみ）が会計コンサルタントの譲矢譲吉（ゆずりやけんきち、通称:譲謙ゆずけん）に新年のあいさつをした。「あけましておめでとうございます。」譲矢も挨拶を返した。「Good Legal Standingということばを聞いたんじゃが一体なんじゃ？」「法律上その会社が特定の州できちんと登録されていることを示すことばです。」「もしも、そのグッドスタンディングをしていないとどうなるんじゃ？」「罰金やペナルティを課されたりすることがあります。法的な会社の責任が認められず株主が責任を負う可能性もあります。借り入れや資金調達が困難になる可能性もあります。基本的にはビジネスをすることができません。最悪の場合には、会社が解散したとみなされることになります。」「それは大変じゃ、いったいGood Legal Standingでいるためにはどうすればいいんじゃ？」「①会社の主要な事項を書いた書類（Annual Report）を毎年（州によっては隔年）提出します。通常Annual Reportには会社のコンタクト情報が書かれますが、詳細は州によって異なります。期日も州によって異なります。②Franchise Tax（事業免許税）をその州での活動の許可を得るために支払います。Franchise Taxの計算方法は州によって異なります。ちなみにネバダ州では支払いはありません。なお、Franchise TaxはFranchise Businessとは全く関係ないのでご留意ください。」「Good Legal Standingの証明書を提出するように先日言われたが、どうすればいいんじゃ？」「州務長官のWEB siteで自分の会社が”Current-Active”であればGood Standingであるということです。多くの州ではWEBで証明書を申し込めます。費用は$10から$50です。」「もしも、手続きを忘れてしまってBad Standingになってしまったらどうするんじゃ？大変なことになるんじゃないのか？」「ビジネスではそんなこともよくあります。Bad Standingになる例は、Annual Reportの申請漏れ、Registered Agentから打ち切られた場合や、Franchise Taxを支払い忘れた場合です。しかし、Good Standingに戻ることはアメリカでは難しいことではありません。まず最申請フォーム（Reinstatement Form）を送付します。そして、未払のフィーやFranchise Taxを全て支払います。それでGood Standingに復帰できます。」「それだけ、ビジネスに対してはフレキシブルということか。すごいのうアメリカは。」「その通りです。」「それじゃ、今度は事業をその州で閉じた時にはどうするんじゃ？」「その場合には、法的に清算手続きをしなければなりません。それでなければ、会社のオーナーは法律に準拠した書類の提出を全て求められます。」「それじゃ、どうやって精算手続きは行うんじゃ？」「もしも株式会社ならば、まず、株主が清算決議をしなければなりません。ただし、Limited Liability Companyの清算手続きは州によって異なります。清算決議の後は精算決議書を会社設立登記をした州の州務長官に提出します。」「決議書に書く必要要件は何じゃ？」「日付、時間、場所、誰が参加したのか、誰が欠席したのか、話し合った項目の要約、話し合った内容の詳細、決議を採った場合にはその結果、などです。」「そうか、Good Legal Standingをきちんと維持するように気をつけよう。」

米国公認会計士齊藤事務所 (www.saitollp.com, info@saitollp.com)：齊藤幸喜