会計相談室
2016年8月1日 13:00:00
会計士事務所の内部統制
「譲矢謙吉さんや会計士事務所でもわしらの会社のようにダブルチェックのようなことをしなければならないと決められていると聞いたが、本当か?」会社経営者の鬣(たてがみ)は会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称、譲謙(ゆずけん))に聞いた。
「ええ。本当です。」
「ほう、普段わしらに経営指導をしている会計事務所にもダブルチェックは必要ということか?」
「その通りです。会計事務所が会計指導を行っているからといって自由気ままということはありません。米国公認会計士協会では、細かな規定を公表しています。」
「何、ベーコンかいけしとやらが出しているのか?内容をわかりやすく教えてくれんかのう?」
「ベーコン会計士ではありません。米国公認会計士協会(AICPA)のことです。AICPAは会計士の質を高めるためにに様々な指針を公表しています。例えば、監査と証明業務基準、品質基準、会計士の行動基準、プレパレーション、コンピレーション、レビュー基準、コンサルテーション基準、継続教育基準、ピアレビュー基準、税務基準などです。」
「ずいぶんあるなぁ」
「そうです。会計士の社会的な使命や責任を考えると様々な基準が増えざるを得ません。特に今回は監査と会計サービスを提供している事務所の品質基準についてお話しをします。まず、各事務所は品質コントロールのシステムを確立する必要があります。そのシステムでは、事務所のポリシーと手続きが明らかにされています。会計事務所は他の事務所と同レベルの品質以上のポリシーをもっていなければなりません。そこには、リーダーシップ、倫理規定、顧客からのサービスの受託および継続のポリシー、人事、業務、モニタリングが含まれます。リーダーシップでは、社内での理念の確立し、トレーニングやミーティングをすることが重要です。倫理規定で最も重視されるのは独立性の規定です。顧客からのサービスの受託では、信頼のおける顧客とお付き合いし、リスキーな顧客の仕事を受託しないことが重要です。人事では、CPEといわれる、継続的な教育をきちんと監査にかかわるスタッフ全員が受けることや会計士試験に合格することの重要性を認識することが重要です。業務に関しては。マニュアルの確立や作業の監督、仕事内容のレビューが含まれます。モニタリングについては、継続的に業務と並行して行われる必要があります。」
「なんか公認会計士という仕事も楽じゃないな」
米国公認会計士齊藤事務所 (www.saikos.com, info@saikos.com):齊藤幸喜