top of page

会計相談室

2008年1月15日 16:30:00

不正取引が起こる例 偽装倒産とねずみ講について

Inage Hawaii

不正取引とはどのようにして行われるのでしょうか?項目別に教えてください。 


今回は偽装倒産(Bust out)とねずみ講(Ponzi or Pyramid scheme)について説明します。 


<偽装倒産 (Bust out)> 


偽装倒産には様々な手法がありますが、最も基本的な手段は、一見、合法的なビジネスを装い大量の商品の買い付けを信用掛けで行い、それらの商品を合法あるいは非合法な手段で処分する方法です。その後、会社を倒産させ、売却収入のお金をもったまま失踪します。もちろん仕入れた商品の支払はしません。偽装倒産の多くは、個人が新しい会社を設立したり既存の会社を買収した後に、比較的短期間で実行されます。偽装倒産の典型例では以下のような手法が実行されます。 


●非常に多数の仕入先との間で掛仕入取引を行っていきます。当初の支払は直ちに行われるため、仕入先は徐々に信用し、信用掛けの金額を増やし、支払延長期間を延ばし始めます。 


●あらゆる仕入先から商品の種類にかかわらず、仕入れられるだけの商品を仕入れて商品を蓄えていきます。さらにすぐに支払う約束をして、追加の商品を可能な限り買います。 


●それらの商品を大きな割引を行って売り払うか仕入先に差し押さえられる前に他の自分の会社に移管します。 


●最後に会社は倒産するか単に閉鎖されます。そして、債権者が法律上の行動を起こす前に法律上の倒産手続もしてしまいます。 





<ねずみ講(Ponzi or Pyramid scheme)> 


ねずみ講は、通常、前の投資者が元本と配当を後の投資者の投資を元手として回収を行う事業をいいます。それらの事業は合法の場合もあるし、非合法の場合もありますが、新規の資本を永続的に増加し続けなければならない事業です。しばしば、通常では考えられない配当や見返りが投資家に提示され資金を集めようとします。全てのねずみ講は以下の3つの要素を持ちあわせています。 


●事業活動は外部の投資家の投資金額のみに左右されます。 


●投資家の投資元本は当初の事業目的には使用されません。投資家の投資元本は他の投資家への配当の支払および元本の返済に充てられます。なお、投資家への配当および元本の返済は事業目的で確約されています。 


●事業自体にはほとんど利益はありません。また、配当や投資元本返済に充てるだけの十分な収入もありません。したがって、事業は新規の投資家と資金を増やし続ける以外に存続することはできません。 


 


米国公認会計士  

齊藤会計事務所 

齊藤幸喜 

bottom of page