top of page

会計相談室

2017年8月30日 13:00:00

キーマンインシュアランスとは何じゃ?

Inage Hawaii

キーマンインシュアランスとは何じゃ?「譲矢さん、キッコーマンのインシュアランスというものを聞いたんじゃが、いったい何じゃ?」会社経営者の鬣(たてがみ)は会計コンサルタントの譲矢譲吉(ゆずりやじょうきち)におもむろに聞いた。


「鬣さん、それはキーマンインシュアランスです。会社のキーマン、すなわち、いなくなられては会社の存続にかかわるような重要な経営陣や従業員に会社が生命保険をかけておき、もしも、その従業員が亡くなった場合に会社がその損失の補填をするために保険金の受取人になっている保険です。」


「確かにうちにも重要な従業員がおるわい、そいつがいなくなったら、大変なことになるわな。」


「もしも、キーマンがいなくなってしまった場合、売り上げの大幅な減少や、管理機能のマヒ、最悪の場合、会社を閉鎖することになってしまうことさえありえます。そのような場合、残った従業員の給与を払い続けなけばなりませんし、リースの支払いや解約料など閉鎖するのにもかなりのコストがかかります。まさかの場合に備えての保険になります。」


「ところで、税金はどうなっているのじゃ?」


「税務上は、会社が受け取り人の生命保険の保険料を会社が支払った場合、いくら会社のために支払った経費だとは言っても税金計算での経費で落すことはできません。」


「何じゃ、それじゃ掛けたくなくなるのぉ」


「かつては、支払いが落とせない分、受け取った保険には税金はかかりませんでした。」


「かつては、ということは今は違うということか?」


「そうです。2006年に改正がされまして、2006年8月17日後には、受け取った保険金が支払った保険料の合計を上回る場合には、その上回る部分は課税となってしまいました。」


「2006年といえばブッシュのときだな。」「そうです。」「しかし、それは厳しいな。何とかならないのか?」


「実はこの規定には例外規定がありまして、ある一定条件を満たせば、非課税になります。」


「何じゃそれは?」


「キーマンインシュアランスに限らず、会社が保険の契約者になって従業員に保険をかけた場合には、保険の発行前にまず、その従業員にそのことを告知し、同意書を文書で入手します。そのうえで、死亡の前の1年間のどこかで従業員であったことか、契約時に取締役か高報酬従業員であったことです。その他、その保険金が遺族に支払われた場合も非課税になります。」


「そうか、それは気をつけなければならんな。」


「さらにIRS(内国歳入庁)は、この内容をForm 8925で報告することを求めていますので、ご注意ください。」


「うむ、わかった。ありがとう。」


米国公認会計士齊藤事務所 (www.saikos.com, info@saikos.com):齊藤幸喜

bottom of page