top of page

会計相談室

2014年6月30日 13:00:00

キャッシュフロー経営は必要か

Inage Hawaii

あまい経営者にキャッシュフロー経営は必要ありません。


「譲謙(ゆずけん)さん、うちの会社は利益がでているのに何故キャッシュがないのじゃ?これじゃ何のためにがんばって働いているのかわからん。わしはいつも不思議に思っているのじゃが、教えてくれんか?」会社社長の鬣(たてがみ)は会計コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち、通称ゆずけん)に聞いた。


「それは、鬣さんの会社がキャッシュベースの会計を採用していないからだと思います。」


「キャッシュベース会計?何だそりゃ?」


「もともとの会計が始まった大航海時代には、1回毎の航海で売上から費用を引いた残りが利益として現金と一致していました。会計は、商売の儲けである現金を数えるための手段だったのです。しかしながら、社会が複雑になり、商売も一回きりで行うのではなく、永遠に行うという前提にたって会計の仕組みを考えるようになると利益とお金は関係のないものになってしまいました。経営を行うには自分の使えるキャッシュがいくらあるのかを即座にシンプルに利益に連動して捉えられなければたちゆきません。これがキャッシュフロー経営と呼ばれるものであり、それをサポートする会計システムがキャッシュベース会計です。」


「よくわからんなぁ。具体的には何を言っているんだ?」


「たとえば、売上や費用が現金の動きと連動するようにするために、売上を上げた場合、アメリカの標準回収期間の1か月以内で必ず回収を目指すことになります。そうすれば、現金回収はほぼ売上金額と一致してきます。また、費用も1か月以内で支払ってしまうことです。」


「ほう、そうか?しかしな商品はどうするのじゃ、1か月以上は保持しているものが結構あるぞ。」


「確固とした売り上げの予定が立っているもの以外は全てコストとして落としてしまいます。」


「何、そんなことができるか?1対1はどうなるのじゃ?」


「確固とした売り上げ予定のない商品は予測の間違いであり、将来売上と1対1にならないものです。そのような1対1の予定のないものは直ちにコストとするべきです。それでなければ、自分の使えるキャッシュと利益との相関関係はなくなります。」


「うぐ。。厳しいな。」


「そうなんです。厳しいですが、このような経営を行えば、自分が自由に使えるキャッシュの金額が直ちに把握できるようになり、経営の判断が非常にしやすくなります。また、将来に備えた投資もチャンスを逃すこともないでしょう。」


「わかった。そこまで言うならやってみることにしよう。」


米国公認会計士齊藤事務所:齊藤幸喜

bottom of page