会計相談室
2013年10月22日 13:00:00
ガラス張り経営を目指すぞ!

「鬣(たてがみ)さん、本日は御社の管理システムの総仕上げのアドバイスです。」コンサルタントの譲矢謙吉(ゆずりやけんきち)は言った。
「譲謙(ゆずけん)さん、いったい最後の授業は何をするんだ?」
「ガラス張り経営です。」
「ガラス張り経営?何だそれは?」
「ガラス張り経営とは、自分の会社の置かれている状況を包み隠さず社員全員に伝える経営です。」
「何故、そんなことが必要なのだ?自分の会社のことなど自分だけが知っていればよいのではないか?」
「鬣さん、会社は経営者と全社員との信頼関係がなければ、本当の大きな仕事は絶対になしえません。そのためには、透明な経営が必要になるのです。」
「わかった。わかった。それでは、何が必要なんじゃ?」
「公明正大な経理、社内に対するコミュニケーション、フェアなディスクロージャー、経営のモラル、それに1対1対応の原則が必要です。」
「1対1は前にやったからわかるが、それ以外は何だ?」
「公明正大な経理とは、実態よりよく見せるような経理をしないということです。社内に対するコミュニケーションは、社員に対して業績の報告を機会を見つけて積極的に行うことです。フェアなディスクロージャーとは、経営者や会社にとってよくないことが起きても隠さずに勇気をもって社外に明らかにすることです。経営のモラルとは、経営者自信が自分を律する厳しい経営哲学をもつということです。1対1対応の原則とは、あらゆる取引を1対1で対応させるということです。」
「ううぉー、厳しいな。そんなに沢山できるかな?」
「鬣さん、今までがんばってきたのですから、きっとできますよ。がんばってください。これらのシステムに前回のダブルチェックの原則が加われば、完璧です。鬣さんの経営哲学に添ってこの会計システムを構築できれば、鬼に金棒です。」
「よーしわかった。ひとつがんばってみるか。譲謙さん、今までわしみたいな未熟者によく、根気強く教えてくれた。ありがとう感謝するよ。これからは、わしの会社を立派にしてこの恩返しをしようと思う。本当にありがとう。」
米国公認会計士齊藤事務所:齊藤幸喜